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音響AI技術で、 設備の予防保全・維持管理の実現を検証

音響AI技術で、 設備の予防保全・維持管理の実現を検証

第一工業製薬株式会社 様

2020年度

イメージ:第一工業製薬株式会社 様

2020(令和2)年度、企画開発室では第一工業製薬株式会社(DKS、本社・京都市)と共同で、音響AI技術を工場設備の予防保全や機械の維持管理に役立てる実証に取り組みました。 音響AI技術とは、機械の稼働音を定期的に録音し、その音をクラウド上でAI解析・グラフ化。平常運転から異常発生までの過程を段階的に可視化できるようにすることで、機械の不具合を未然に防ぎ、生産効率の改善や設備の維持管理に役立てようというものです。録音機器にスマホを用い、1回の録音時間が15秒前後と手軽なことも重要なポイント。熟練技術者の耳や勘に頼っていた故障の予知を、AI技術の力によって現場作業員が早期に、そして確実に検知できる環境を目指します。

イメージ:ポンプ稼働音計測

DKSでは2018(平成30)年より、国内3工場のスマート化を本格的に行っています。今回の目的は、音響AI技術の導入により、音での予防保全が可能かどうかを見極めるというものです。4、5月に大潟工場(新潟県)と滋賀工場(滋賀県)でさまざまな機械のサンプル音を集め、検証に適した装置として生産工程の要である真空ポンプを選定。6月からは四日市工場霞地区(三重県)も含めた3工場の計10台の真空ポンプの音を1日1回、点検作業の時間帯に現場作業員がスマホで録音し、クラウドにアップ。稼働音のAI解析結果はグラフに表示され、平常運転時の基準円とその都度比較することで異常傾向の有無を導き出す仕組みになっています。実際、実証期間中の10月、大潟工場で真空ポンプの不具合が起きた際、その2日前から真空ポンプが発する音に異変があったことがグラフ上でもはっきり示されていました。(下図) 今回の技術検証を通して、音による工場設備の予防保全が有効であると分かり、2021(令和3)年度からは3工場のより多くの真空ポンプを中心に、さまざまな機械でも音響AI技術の適応が可能かどうか検証を進めていきます。

真空ポンプ稼働音AI解析結果(2020年10月、大潟工場)

イメージ:真空ポンプ稼働音AI解析結果(2020年10月、大潟工場)

今回の共同実証について、ご担当の方に振り返っていただきました。

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