産学連携
金沢工業大学(KIT)様
2025年度
2021年度からスタートした株式会社別川製作所企画開発室と金沢工業大学(KIT)のコーオプ教育。過去2回は3、4年生の学生を迎え実施しましたが、2025年度は初めて、2年生が参加。工学部情報工学科の岩崎一道さんです。
テーマは「どこでもビジョン」の開発です。どこでもビジョンはオペレーションに応じて最大6カ所の現場を同時に1画面上に映して確認できる当社のオリジナル技術。3Dビューアーで構成された画像で離れた場所にある複数の現場を確認できることから、作業の効率化、少人化に貢献します。タブレットとXRグラスの2タイプのデバイスに対応しており、今回はその画面構成と画像への情報の埋め込みを行いました。
約7カ月間のコーオププログラムは、現場で収集したデータが手元に届くまでの「IoTシステム」の仕組み、プログラミング言語「JavaScript」、プラットフォームのデータを利用する「WebAPI」と360度画像をパノラマ表示するソフトウェア「Pannellum」など、基本の習得からスタートしました。どこでもビジョンの開発は、これらの知識をベースに組み立ていきます。
今回は学生版の開発を想定。岩崎さんは大学の食堂を「現場」に見立て、複数のテーブルエリアの混雑度を一目で認識できるように画面を構成。各テーブルエリアが6面から成る立方体の形で組み合わさり、スクロールして画像を回転させながらそれぞれの「現場」を見ていきます。また、各画像にはリアルタイムで収集する当該エリア(現場)の室温を閲覧できるよう情報を融合させる設計を施しました。
岩崎さんはこの画面が切り替わる様子や、情報を閲覧できる一連の流れをデモ映像にまとめました。そして遠隔地の様子を瞬時に、同時に確認できる技術は、大学や工場以外の施設管理者にも有効だと提言します。
当社ではどこでもビジョンを工場で働く人の遠隔での運転対応や点検に役立てる技術へと育て発展させていきたいと考えています。そこから先の、工場以外の業界や教育・サービス分野等でも応用していくイメージを、今回のコーオプで広げることができました。
| 岩崎さん |
Webサイトのフロントエンドの開発に興味があり、参加を決めました。2年生から受け入れていただけて、実際の現場で早い段階から知識と経験を深められることも魅力でした。開発テーマを聞いた時は、「3D画像を起こして組み立て…? めちゃめちゃ難しそう…」と不安でしたが、360度の画角で画像の組立ができるソフトウェア「Pannellum」が心強い味方になってくれました。バーチャル画像を作るのは手間もお金もかかりそうだと思われがちですが、一つの手段としてさまざまなオープンソースやソフトウェア技術を組み合わせるのも、スピード重視の開発においては大切なんだと実感しました。 まだ開発途中ではありますが、360度画像上に表示する情報画面の作成では、ユーザーが過去データを検索する時、時間指定をサクサク設定できるようにしたいと考えています。そのために、画面が初見のユーザーも操作しやすいボタン、数字の配置レイアウトに今後の開発ではこだわっていきたいです。そして、画面を切り替えたり、画面上で操作する時も、作業者のストレスを軽減できるよう、基本操作を実践的に習得できるチュートリアルを作成して、徹底的な効率化を目指します。 |
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| 大澤学長 | 2年生のコーオプ教育を受け入れていただき、ありがとうございました。大学には学生がチームを組んで自治体が抱える課題解決を目的にした必修授業もありますが、コーオプは企業の方に直接ご指導いただきながら、綿密な相談を重ねて技術を作り上げていく点で、まったく異なる経験ができたのではないかと思います。学生は普段の授業でわからないことがあればすぐ質問するのが常なので、コーオプに臨むと「まずは自分で調べてから人に聞く」という姿勢が社会では大切なんだと、人として勉強になることも多々あり、毎回の成長をとても楽しみにしています。 |
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| 川島社長 | 岩崎さんに取り組んでいただいた「どこでもビジョン」は、当社のDX事業の大きな柱の一つでもあります。いまの学生さんたちは、AIが常に身近にあり、気負わず使いこなせるAIネイティブ世代。未来に向けた技術開発には、熟年世代の「経験」だけでは追いつけない、AIネイティブ世代ならではの自由な発想や考え方がこれまで以上に重要になります。そのような若い学生さんたちと一緒に技術を作っていくのは大きな意義があると思っています。今回のコーオプは、その良いスタートが切れました。 |
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岩崎 一道さん
金沢工業大学
工学部情報工学科2年
大澤 敏氏
金沢工業大学
学長
川島 直之
株式会社別川製作所
代表取締役社長
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