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金沢工業大学(KIT)とのコーオプ教育 画像からAIが自動で数値を読み取り・記録 デジタル従業員「検針くん」の開発

金沢工業大学(KIT)とのコーオプ教育 画像からAIが自動で数値を読み取り・記録 デジタル従業員「検針くん」の開発

金沢工業大学(KIT)様

2025年度

イメージ:

株式会社別川製作所企画開発室では、工場での働き方DXを推進するため、リアルとバーチャルを融合した新しいプラントの構築・運営を進めています。そのバーチャルプラントで働くのが、リアルプラントの情報を自動で分析し、現場に還元するデジタル従業員。2025年度の当社と金沢工業大学(KIT)のコーオプ教育では、デジタル従業員の1人でメーターの自動検針を行う「検針くん」の誕生と育成に取り組みました。

一緒に開発したのは、同年度5月からアルバイトとして企画開発室の仕事に従事してくれていた工学部情報工学科3年の山上楓峨さんです。アルバイトでは工場のモニタリング画面の作成に携わっていましたが、コーオプではより開発に重点を置いた内容で、現場作業者の検針業務の効率化を実現しました。

当社工場では、現場の作業員が複数個所のガスメーターの数値をとらえたネットワークカメラの映像をPCのブラウザ上で順に目視で検針し、手作業で記録を付けています。これを検針くんが代わりに行うと、まずは指定したメーターの写真を現場のネットワークカメラから撮影し、画像を取り込む。その画像からAIがメーターの数値を読み取って(OCR技術)、自動で検針・記録保存します。そしてその検針結果を作業者に通知。検針くんへの指示出しと結果通知は、ビジネスチャットの「LINEWORKS」を経由します。結果を受け取った作業者は、LINE WORKSのトーク画面を操作して、そのまま記録表を自動作成。この一連の手順をスマホ1台で完結できるようにしました。

さらにこの基本のワークをベースに、検針くんがより柔軟に活躍できる次の3つの機能も実装。①過去の検針データの検索・閲覧 ②工場以外の場所からでもリアルタイムでメーター値を検針

③AIが読み取った検針値にエラーがあった場合、過去に遡って手軽に修正可能。今後は異常値が出た時の通知や、検針結果の日報・月報の自動作成機能も盛り込む予定です。

デジタル従業員は単一業務に専属するプレイヤーではなく、理想は状況に応じて複数の業務をこなすオールラウンダー。検針はその複数業務の一つではありますが、今回の開発で初めてリアル従業員とデジタル従業員との「業務連携」が実現しました。今後はもっとさまざまな「お仕事」をデジタル従業員に依頼し、仲間として働けるように開発・育成を進めます。

イメージ図

金沢工業大学の大澤学長、山上さんと別川製作所の川島社長らを交えて、
今回のコーオプ教育の報告会を開催しました。

新しいことに一緒に挑戦できる喜びを実感

山上さん アルバイトとしてお世話になる中で、企画開発室メンバーの皆さんの開発に対する情熱に刺激を受け、自分も現場従業員の方々が働きやすい環境をつくる力になりたいという思いが強くなり、コーオプ教育への切り替えを決断しました。今回使用したOCR技術にはAIを活用していますが、AIにずっと興味があったこともあり、本当に楽しかったです。
 大変だったのは、メーターによって表示する数値の桁が異なるので、1タイプのAIがその違いも含めて学習し、画像から正しく数値を拾い出せるように設計するところです。何度もプログラムを書き換えて、成功した時はうれしかったですね。ほかには、過去のデータを検索して表示された結果を修正したいと思った時に、検索結果画面からそのまま修正ができるようプログラミングし、作業者の使いやすさも重視しました。
 企画開発室さんとのコーオプは、あらかじめ設定された正解を導き出すのではなく、一緒に未知への挑戦を続けながら開発を進めました。その「一緒に開発する」チームの一体感を感じながら、いつか実際に企業の中で使っていただけるかもしれない技術を開発する経験は、かけがえのないものとなりました。

開発を継続できる関係づくりを目指したい

大澤学長 AIがいよいよパソコンの中を飛び出して、工場で働く時代になっていくんだと感慨深くなりました。ヒトとAIが一緒にものづくりをし、産業を支える。その一端を、今回のコーオプを通じてお手伝いさせていただけたことに感謝します。開発は単発で終わるのではなく、一つの技術の誕生をきっかけにまた新しい開発が始まるものだと思います。今後も過去の学びの経験を学生から学生へと引き継ぎ、別川製作所様とのつながりを深め、企業様と学生が一緒に新しいことにチャレンジする経験を積み重ねていけるよう願っています。

フィジカルAIが必然の時代へ

川島社長 山上さんの報告をお聞きしながら、昨今、注目が高まっているフィジカルAIの必要性をより強く認識しました。最新の情報を学習し、シミュレーションを経て、最終的にヒトと相互にやりとりする際、当社のような製造工場では油のにおいや金属加工の騒音の中でも一緒に動いてくれるAIが必然になります。そのフィジカルAIがのびのび働ける環境を提供する上で、貴学の学生さんのように時代を先取りする若いアイデアを持つ人材のリソースが欠かせません。検針くんの技術を実際に工場に導入できる日がいまから楽しみです。

PROFILE

金沢工業大学 工学部情報工学科3年 山上 楓峨さん

山上 楓峨さん

金沢工業大学
工学部情報工学科3年

金沢工業大学(KIT)大澤 敏氏 学長

大澤 敏氏

金沢工業大学
学長

株式会社別川製作所 川島 直之 代表取締役社長

川島 直之

株式会社別川製作所
代表取締役社長

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