学生共創
金沢工業大学 並川 天夢さん
2026年度
大学との共同研究、そして産学協同の学びのカリキュラム「コーオプ教育」と並行して、企画開発室が推しているのが技術開発に興味がある学生のアルバイト採用。学生に本格的な技術開発を経験できるチャンスを提供すると同時に、当社にとってはデジタルネイティブ世代と身近に意見交換できる貴重な機会です。
今回、2025年10月から企画開発室メンバーに加わったアルバイトの並川天夢さん(金沢工業大学メディア情報学部メディア情報学科4年)とXRグラスを使ったモバイルコントロールルームの開発を約8カ月にわたって進め、基幹となる手順や機能を確立しました。
モバイルコントロールルームは、XRグラスを装着した状態で現場に立つと、立っているその場所で必要な情報がグラスを介した仮想空間に必要に応じて表示されるというもの。現実空間と仮想空間が重なり合うARの視界の中で、作業者は画像や映像、分析結果などのデジタル情報を確認・操作しながら、現場の稼働を見守ることができるようになります。
並川さんはまず、XRグラスを装着した時に、情報を開くための目印となる「CUBE」をAR空間に表示させ、さらに作業者が手を動かしてCUBEに触れて情報を開く、という仮想と現実がリンクする一連の動作をプログラミングしました。
続いて、情報を映し出すブラウザの表示、操作設定です。今回最も時間をかけた工程です。ツールにはゲーム開発によく使われるアプリ「Unity」を使用していましたが、ARとの相性がなかなか合いませんでした。
ブラウザで表示したwebサイトにはコントロールボタンがなく、スマホやPCの要領でページを送ったり、開閉することができません。加えてブラウザを操作する作業者の手の動作を認識させるには、CUBEに触れる時とは異なる処理が必要に。
複数の開発ツールが上手に組み合わさり、不具合を起こさないよう条件を変えては試し、調整を繰り返しました。
その試行錯誤の末、モバイルコントロールルームは現時点で「ブラウザ表示できるものは何でも」、AR空間で見たり操作することができるようになりました。
また、今回の開発では作業者の位置情報を特定するために二次元コードを利用しています。XRグラスを装着し、特定の場所に設置した二次元コードに読み取り焦点を合わせると、埋め込まれたリンク先のURLが開き情報を得られる二段階形式です。
いずれは自動で位置情報を認識できることを目指していますが、今回の一連の開発を通してモバイルコントロールルームの高い実現性に大きな手ごたえを感じました。
| 並川さん |
大学の掲示板に張り出されていた「技術開発」の求人票に応募したことがきっかけで始めたアルバイト。振り返ると本当に楽しい時間でした。大学生の日常生活ではめったに触れられない最新のARグラスに存分に触らせてもらいながら、新しい技術の開発をする。アルバイト代をいただけたこともうれしいですが、それ以上に開発と向き合う姿勢や社会経験など得るものが大きかったですね。 最も大変だったのはAR空間に表示されたブラウザの操作設定です。3週間くらいかかったかもしれません。思うように動かない時は行き詰まりを感じることもありました。でも企画開発室の皆さんと意見を出し合ったり、一連の開発の中で一つ一つの機能を着実にカタチにしてきたことが自信にもなり、より深く追究したい強い気持ちが開発のモチベーションになりました。 |
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開発が一区切りした5月末、引き継ぎ書や技術の概要をまとめた資料を作成。いつか工場でこの技術が使われる日が来るかも・・・ なんだか、うれしくなります!
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| 中富さん | 新技術の開発は、トライ&エラーの繰り返しですが、並川さんはいつも楽しそうに、そして根気よく進めてくれて、非常に頼もしかったです。学生さんには技術開発の経験をぜひ前向きに活かしてほしいですし、私たちも学生さんから良い刺激をもらえています。その相乗効果をエネルギーに、今後の技術開発にますます力を入れていきたいです。 |
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並川 天夢さん
金沢工業大学
メディア情報学部 メディア情報学科4年
中富 ゆう子氏
株式会社別川製作所
企画開発室リーダー