社内トライリポート
VOL.9 実施場所:いしかわ情報システムフェア e-messe kanazawa2025
2025年度
BCREERの様々なイノベーションを別川製作所の社内で活用する取組みを紹介する担当者へのインタビュー。今回は特別編として今年5月に石川県産業展示館で開催された「いしかわ情報システムフェア e-messe kanazawa2025」へのブース出展をリポートします。
石川県の情報化推進を目的に、地域のICT関連企業や団体がDXの推進やカーボンニュートラル、メタバース、AI等などを活用した最新技術を提案する同イベントは、今回で40回を迎えました。別川製作所では、今春から稼働を開始した新塗装工場で検証している技術開発を紹介することで「テック企業」としてのBETSUKAWAをアピールしています。ブースを担当する企画開発室のスタッフへのインタビューと展示会の内容を掲載します。
株式会社別川製作所 企画開発室
https://bcreer.betsukawa.co.jp/
INOVATION
会場にはメインテーマの「夢の世界がすぐそこに かなえる力ICT(=情報通信技術:Information and Communication Technology)」が示すように、夢を実現する原動力となる学生たちが多く訪れ、会場の至る所で興味深く展示に見入る姿が見られました。
出展企業も業務の効率化や生産・顧客・勤怠管理、システムサポートといったビジネスシーンでの技術活用に加え、石川県の観光と連動した生成AIや医療分野のデジタル化など、地域や実生活と結びつく展示もあり来場者との親和性を求める姿勢が感じられます。
ユニークなところでは大谷翔平の速球を体感できるバーチャルベースボールシステムの実演、エンタテイメント領域ではなくプロ球団も導入する本格的なもので、石川県下の野球強豪校を対象に売り込みを図っているそうです。
行政による出展も熱心で、石川県によるデジタル化推進企業への支援施策やITの専門家を派遣する石川県情報化支援協議会、深刻化するサイバー犯罪への対策を行う石川県警察などが啓発活動を行っていました
当日の来場者から話を聞くと、「工場の生産管理に関心があり、毎年必ず来場しています。(小松市製造業)」と実務に欠かせない展示会であることを実感します。学校の推薦で来場する学生も多く、「AIや電子情報を学んでいてVRに興味があります。将来に向け医療系の展示に興味が湧きました。(高等専門学校3年)」、「アプリ開発に興味があり、石川県内に就職するための企業研究が目的です。(専門学校2年)」など将来への現実的なステップとしてイベントを捉えていました。また、eスポーツゲームを教育活動に結びつける研究を進める学生プロジェクトや、北陸大学のサークル「ものづくりLab」など学生主体のブース出展もあり、地域産業の未来を担う意気込みが感じられました。
最後は別川製作所ブースについてまとめましょう。
今回の出展内容はプラント運営の課題を解決するための、リアルとバーチャルの融合がテーマです。
プラント内のセンサー情報やカメラ映像、マニュアルをデジタル化し、XRグラスからリアルな遠隔監視ができる「Meta・Cockpit」では最先端のデジタルプラントを体感していただきました。プラント内の機器操作に詳しくない方でも機器の状況やマニュアルを直観的に理解でき、XRグラスの使用で両手が自由に使えるため作業効率は大幅にはかどります。また、360°ビューアー「ぐるりビジョン」と組み合わせることで遠隔地からの操作性が高まり、作業者が現地に行く必要もなくなり、省人化にも貢献します。
現在は今春から稼働を開始した新塗装工場を舞台に実験と検証を繰り返す開発中の状態ですが、手ごたえは十分。工場やプラントへの導入をはじめ、オフィスで工場の機器を操作することも可能なため設備点検など広い範囲での活用が期待できます。
企画開発室の出展担当者に話しを聞きました。
「今回の出展は、ものづくり企業としてだけではなくテック企業としての別川製作所を石川県内の学生やビジネス関係の方に印象付けることが目的です。出品物は製品化されていない開発中のものだけですが、システム開発についてはアルバイトの学生さんにもかなり手伝っていただいたので、多くの学生さんにも興味を持ってもらえると嬉しいですね。開催前には社内のプレ展示を新聞社さんにも見ていただき、その記事が会期前日に掲載されたこともあり、反響は上々です。」
会期中のブースには多くの来場者が訪れ、興味深く話しを聞く様子が見られました。テック企業としての別川製作所は、着実に存在感を強めています。